スキル解説:スキルとプロンプト、プロジェクト、MCP、サブエージェントとの比較
スキルはカスタムAIワークフローやエージェントを作成するための強力なツールとしてますます重要になっていますが、Claudeのスタック内ではどこに当てはまるのでしょうか?どのツールをいつ使用すべきか、そしてそれらがどのように連携するかについて説明していきましょう
スキルはカスタムAIワークフローやエージェントを作成するための強力なツールとしてますます重要になっていますが、Claudeのスタック内ではどこに当てはまるのでしょうか?どのツールをいつ使用すべきか、そしてそれらがどのように連携するかについて説明していきましょう
スキルの導入以来、Claudeのエージェントエコシステムのさまざまなコンポーネントがどのように連携するかを理解したいという関心が寄せられています。
Claude Codeを活用した高度なワークフローの構築、APIを用いたエンタープライズソリューションの作成、Claude.aiでの生産性の最大化のいずれの場合においても、どのツールをいつ活用すべきかを知ることは、Claudeとの作業方法を変革する可能性があります。
このガイドでは、各構成要素を分解し、それぞれの使用のタイミングを説明するとともに、強力なエージェントワークフローを実現するための組み合わせ方を紹介します。
スキルとは、タスクに関連する場合にClaudeが動的に発見・読み込む指示、スクリプト、リソースを収めたフォルダーです。Excelスプレッドシートの操作から組織のブランドガイドラインの遵守まで、特定の分野における専門知識をClaudeに提供する専門的なトレーニングマニュアルとお考えください。
スキルの仕組み:Claudeはタスクを処理する際、利用可能なスキルをスキャンして関連するスキルを見つけます。スキルは段階的な開示を用いており、メタデータが最初に読み込まれ(約100トークン)、スキルが関連するタイミングをClaudeが判断するのに十分な情報を提供します。必要に応じてすべての指示が読み込まれ(5000トークン未満)、バンドルされたファイルまたはスクリプトは必要な時のみ読み込まれます。
スキルを使用するタイミング:Claudeに専門的な作業を確実かつ効率的に実行させる必要がある場合はスキルを選択します。以下の用途に最適です。
例:会社のカラーパレット、タイポグラフィのルール、レイアウト仕様を含むブランドガイドラインスキルを作成します。プレゼンテーションや文書を作成する際には、毎回説明しなくてもこれらの基準が自動的に適用されます。
スキルに関する詳細はこちらです。拡大を続けるスキルライブラリもご覧ください。
プロンプトとは、会話中に自然言語でClaudeに与える指示のことです。それらは一時的で、会話的で、反応的です。その場その場でコンテキスと方向性を提供します。
プロンプトを使用するタイミング:以下の目的でプロンプトを使用します。
例:
このコードの包括的なセキュリティレビューを実施してください。以下の点について確認してください。
1. 次のものを含む一般的な脆弱性:
2. 発見した問題ごとに、以下の情報を提供してください。
3. コードのコンテキスト:[コードの内容、言語/フレームワーク、実行環境について説明(例:「これはユーザー認証と決済データを処理するNode.js REST APIです」)]
4. その他の考慮事項:
重大度と潜在的な影響別に調査結果の優先順位を付けてください。
ヒント:プロンプトはClaudeとのやり取りの主な手段ですが、会話間で持続されるものではありません。繰り返されるワークフローや専門知識については、プロンプトをスキルやプロジェクトの指示として記録することをご検討ください。
代わりにスキルを使用するタイミング:複数の会話で同じプロンプトを繰り返し入力している場合には、スキルの作成をお勧めします。「OWASP基準を使用してこのコードのセキュリティ脆弱性をレビューする」や「この分析をエグゼクティブサマリー、主な発見事項、推奨事項で構成する」といった反復的な指示をスキルに変換します。これにより、手順を毎回説明し直す必要がなくなり、実行に一貫性が保たれるようになります。
プロンプトライブラリ、プロンプトのベストプラクティス、スマートプロンプトメーカーを確認してから開始しましょう。
すべての有料Claude planで利用可能なプロジェクトは、独自のチャット履歴とナレッジベースを備えた自己完結型のワークスペースです。各プロジェクトには20万のコンテキストウィンドウが含まれており、文書のアップロード、コンテキストの指定、そのプロジェクト内のすべての会話に適用されるカスタム指示の設定などができます。
プロジェクトの仕組み:プロジェクトのナレッジベースにアップロードした内容はすべて、そのプロジェクト内のすべてのチャットで利用可能になります。Claudeは自動的にこのコンテキストを活用して、より情報に基づいた関連性の高い回答を提供します。プロジェクトナレッジがコンテキスト制限に近づくと、Claudeはシームレスに検索拡張生成(RAG)モードを有効にして、容量を最大10倍に拡大します。
プロジェクト使用のタイミング:必要なときにプロジェクトを選択します。
例:市場調査、競合他社分析、製品仕様書を含む「第4四半期の製品発売」プロジェクトを作成します。このプロジェクト内のすべてのチャットで、コンテキストを再アップロードしたり再度説明したりする必要なく、このナレッジデータにアクセスできます。
代わりにスキルを使用するタイミング:プロジェクトは、特定の作業(会社のコードベース、研究イニシアチブ、継続的な顧客エンゲージメント)に対してClaudeに持続的なコンテキストを提供します。 スキルは、Claudeに何かをする方法を教えます。 プロジェクトには、製品発売に関する背景すべてが含まれている場合があります。一方、スキルでは、チームの文書作成基準やコードレビューのプロセスをClaudeに教えることが可能です。 複数のプロジェクトで同じ指示を繰り返していることに気づいたとき、それは代わりにスキルを作成すべきという合図です。
プロジェクトの詳細はこちらです。
サブエージェントは、独自のコンテキストウィンドウ、カスタムシステムプロンプト、特定のツール権限を備えた専門のAIアシスタントです。Claude CodeとClaude Agent SDKで利用可能であり、サブエージェントは個別のタスクを独立して処理し、結果をメインエージェントに返します。
サブエージェントの仕組み:それぞれのサブエージェントは独自の構成で動作します。つまりその動作、問題へのアプローチ方法、アクセス可能なツールを定義します。Claudeが適切なサブエージェントの説明に基づいてタスクを自動的に委任するか、ユーザーが特定のサブエージェントを明示的にリクエストすることもできます。
サブエージェントを使用するタイミング:以下の目的でサブエージェントを使用します。
例:
代わりにスキルを使用するタイミング:複数のエージェントや会話が同じ専門知識(セキュリティレビュー手順やデータ分析手法など)を必要とする場合、その知識を個々のサブエージェントに組み込むのではなく、スキルを作成ます。サブエージェントが特定のワークフロー向けに専用に構築されている一方で、スキルは移植性と再利用性が高いものになっています。あらゆるエージェントが適用できる専門知識を教えるときはスキルを活用し、特定のツール権限とコンテキスト分離を伴う独立したタスク実行が必要な場合には、サブエージェントを利用します。
サブエージェントの詳細はこちらです。

Model Context Protocol(MCP)は、AIアシスタントをデータが存在する外部システム(コンテンツリポジトリ、ビジネスツール、データベース、開発環境)に接続するためのオープンスタンダードです。
MCPの仕組み:MCPは、Claudeをお客様のツールやデータソースに接続するための標準化された方法を提供します。それぞれのデータソース用にカスタム統合を構築するのではなく、単一のプロトコルをベースに構築します。MCPサーバーはデータと機能を公開し、MCPクライアント(Claudeなど)がこれらのサーバーに接続します。
MCPを使用するタイミング:Claudeに次のことをさせたい場合はMCPを選択します。
例:MCPを介してClaudeを社内のGoogleドライブに接続します。現在、Claudeは手動でアップロードすることなくドキュメントの検索、ファイルの読み込み、社内ナレッジの参照が可能になっています。接続は維持され、自動的に更新されます。
代わりにスキルを使用するタイミング:MCPがClaudeをデータに接続し、スキルがそのデータをどのように処理すべきかをClaudeに指示します。「データベースへのクエリを実行する際には、常に日付範囲を最初に絞り込む」や「これらの特定の数式を使用してExcelレポートのフォーマットを整える」など、ツールの使用方法や手順に従う方法を説明する場合にはスキルを使用します。最初にデータベースまたはExcelファイルにアクセスするためにClaudeが必要な場合は、MCPを利用します。接続にはMCP、手順に関する知識にはスキルの両方を併用します。
MCPに関する詳細はこちらです。MCPサーバーの構築方法に関するドキュメントもご覧ください。
これらの構成要素を組み合わせることで真の力が生まれます。それぞれが異なる目的を果たし、それらを組み合わせることで高度なエージェントワークフローを構築します。
| 機能 | スキル | プロンプト | プロジェクト | サブエージェント | MCP |
|---|---|---|---|---|---|
| 提供内容 | 手続きに関する知識 | 逐次的な指示 | 背景知識 | タスクの委任 | ツールの接続性 |
| 持続性 | 会話全体 | 1回の会話 | プロジェクト内 | セッション全体 | 継続的な接続 |
| 内容 | 指示+コード+アセット | 自然言語 | 文書+コンテキスト | 完全なエージェントロジック | ツールの定義 |
| 読み込むタイミング | 必要に応じて動的に | 各ターン | 常にプロジェクト中 | 呼び出されたとき | 常に利用可能 |
| コードの読み込みが可能か? | はい | いいえ | いいえ | はい | はい |
| 最適な用途 | 専門知識 | 迅速なリクエスト | 一元化されたコンテキスト | 専門的なタスク | データアクセス |
複数の構成要素を組み合わせた包括的なリサーチエージェントを構築しましょう。この例は、競合分析のためにエージェントを構築して有効化する方法を示しています。
ステップ1:プロジェクトを設定
「競合インテリジェンス」プロジェクトを作成して以下をアップロードします。
プロジェクト手順を追加します。
当社の製品戦略の観点から競合他社を分析してください。次に、差別化の機会と新興市場の動向に焦点を当ててください。具体的な証拠と実行可能な推奨事項ともに、調査結果を提示してください。
ステップ2:MCPを介してデータソースを接続
次のMCPサーバーを有効化します。
ステップ3:専門スキルを作成
「競合分析」スキルを作成します。
ステップ4:サブエージェントを構成(Claude Code/SDKのみ)
専門のサブエージェントを作成します。
market-researcherサブエージェント:
technical-analystサブエージェント:
ステップ5:調査エージェントを有効化
ここでClaudeに次のように依頼します。「主要な競合他社3社が、新たに導入したAI機能をどのように位置付けているかを分析し、当社が活用できるギャップを特定してください」
次のようなことが起こります。
結果:複数のデータソースから抽出し、自社の分析フレームワークに沿って専門知識を活用し、調査プロジェクト全体を通じて一貫したコンテキストを維持する、包括的な競合分析が得られます。
スキルは、Claudeの効率性を維持するために段階的な開示を用います。タスクに取り組む際、Claudeはまずスキルのメタデータ(説明と要約)をスキャンして関連性の高い一致項目を特定します。スキルが一致した場合、Claudeはすべての指示を読み込みます。最後に、スキルに実行可能なコードまたは参照ファイルが含まれている場合は、必要な場合のみ読み込みを行います。
このアーキテクチャにより、Claudeのコンテキストウィンドウを圧迫することなく多くのスキルを利用可能にできます。Claudeは、必要なときに必要な情報のみに正確にアクセスします。
スキルを使用するタイミング:あらゆるClaudeインスタンスが読み込んで使用できる機能が求められる場合。スキルは教材のようなもので、Claudeがあらゆる会話において特定のタスクで効果的に機能するようにします。
サブエージェントを使用するタイミング:特定の目的向けに設計され、ワークフローを独立して処理する自己完結型の完全なエージェントが必要な場合。サブエージェントは、独自のコンテキストとツールの権限を持つ専門職の従業員のようなものです。
併用するタイミング:専門知識を備えたサブエージェントが必要な場合。たとえば、コードレビューのサブエージェントは、言語固有のベストプラクティスとしてスキルを使用し、サブエージェントの独立性と、スキルに関する移植可能な専門知識とを組み合わせることができます。
プロンプトを使用するタイミング:一度きりの指示を行う場合、直近のコンテキストを説明している場合、あるいは会話のやり取りを行っている場合。プロンプトは反応的で一時的なものです。
スキルを使用するタイミング:繰り返し必要となる手順または専門知識がある場合。スキルは能動的に活用され(Claudeは適切なタイミングを見極めます)、会話全体を通じて持続的に利用されます。
併用するタイミング:プロンプトとスキルが自然に互いに補完し合う関係にある場合。スキルを活用して基礎的な専門知識を提供し、その後プロンプトを用いて各タスクごとに具体的なコンテキストの提供と調整を行います。
プロジェクトを使用するタイミング:特定のイニシアチブに関するすべての会話において、背景知識やコンテキストが必要とされる場合。プロジェクトは常に読み込まれる静的な参照資料を提供します。
スキルを使用するタイミング:手続きに関する知識と関連する状況でのみ作動する実行可能コードが必要な場合。スキルは動的な専門知識を提供し、必要に応じて読み込まれるため、コンテキストウィンドウを節約します。
併用するタイミング:持続的なコンテキストと専門的な機能の両方が必要な場合。例えば、「製品開発」プロジェクトでは、製品仕様書やユーザー調査が含まれ、技術文書作成スキルやユーザーフィードバックデータの分析スキルと組み合わされます。
主な違い:プロジェクトは「知る必要がある内容」を示します。スキルは「実行する方法」を示します。ププロジェクトはその枠組みの中で作業を行うためのナレッジベースを提供し、スキルはあらゆる会話、あらゆるプロジェクトで役立つ機能を提供します。
はい。Claude CodeおよびエージェントSDKでは、サブエージェントはメインエージェントと同様にスキルにアクセスして使用できます。これにより、専門的なサブエージェントが移植可能な専門知識を活用するという強力な組み合わせが生まれます。
たとえば、python-developerサブエージェントは、pandas-analysisスキルを使用してチームの規則に従ってデータ変換を実行できます。一方、documentation-writerサブエージェントは、technical-writingスキルを使用してAPIドキュメントのフォーマットを一貫して実行できます。
スキルを活用した構築の準備はできましたか? 以下の方法で開始できます。
Claude.aiユーザー:
API開発者:
Claude Codeユーザー:
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